Tomoaki "OGA"Ogawa
- Drums -
『オガマニアに贈る地味コラム』
■第６話 〜 後悔 〜
いつもはそんな事ないんだが・・・
必ず確認してから開けるんだが・・・
何か夢を見ていたんだろうか。
ねぼけたままドアを開けると
そこに立っていたのは若い女性。
そうか、まだ夢の続きだったんだ。
しかし、
いつもは壁が迫ってきて押し潰されそうになる夢。
逃げても逃げても岩石が追いかけてくる夢。
寝ようと思って布団に入ったら、
その布団がとてつもなく重く、
息苦しく窒息しそうになった夢。
そんなのばかりだ。
わかった、
今までずーっとそんな夢ばかり見てきたオレに、
きっと神様が幸せな夢をプレゼントしてくれたに違いない。
Tシャツにパンツ一丁で出たオレに
その女性は胸ポケットから出した手帳を
見せながら、こう言った。
『Ｎ●Ｋから参りました●●と申します。』
一瞬なんでＮ●Ｋが・・・って思ったが
そうか、度重なる不祥事に
一件一件謝罪してまわってるのか、大変だなぁ〜
『受信料の集金に参りました』
ガーン、そっちか・・・
そーゆー事か、作戦変えやがったな。
いつもはおじいさんだったじゃないか。
チクショー！
若い（？）独身男性のところには女性職員がまわるのか。
なかなか考えやがったなぁ。
でも、どうしてオレが独身だってバレたんだろう。
いや、そんな事考えている場合じゃない。
いくら女性だからといって言う時は言う。
『今金無いんだよな』
おもいっきり仏頂面で言ってやった。
いや、ブサイク面か。
『あの、大変お安くなっているのですが』
テメー、いったい何と比べて安くなってるというんだ。
見もしないＮ●Ｋに安いもクソもないだろう。
丁寧ではあったが、逆にその一言でかなり頭にきた。
『だからネェ〜って言ってるだろうがよ』
弱い者に対しては、めっぽう強気なオレである。
しかし相手も冷静だ。『そうですか、そうしましたら
今度はいつ頃お伺いしたらよろしいでしょうか？』
思わず給料日を言いそうになったが、
『もう来なくていいよ』って言ってやった。『そうですか・・・・
失礼いたしました・・・・』
がっかりした表情で帰っていった。
ちょっと言い過ぎたかなぁ。
かわいそうだったかなぁ。
いつも言ってから後悔するんだよな。
説明するまでもなく
最近Ｎ●Ｋは不祥事続きだ。
いつだったか会長が
『不払い者に対しては法的措置も辞さない』
なんて言ったが
その一言が多くの国民を怒らせた。
悪い事をしたのはごく一部の人間だ。
ただ不祥事の内容が内容なだけに、
いくら謝罪しようが
そう簡単に怒りが収まるはずがない。
楽しい思い出よりも
嫌な忘れてしまいたい事の方が
記憶に残るものだ。
ごく一部の人間が犯した罪なのに
Ｎ●Ｋ全体が悪者に思えてくる。
皆さんはラジオを聴くだろうか。
少し前の話になるが、
ＴＢＳラジオの某番組に
Ｎ●Ｋの若手職員が実名を名乗り出演していた。
その番組は毎日テーマを決め、
パーソナリティーとリスナーが直接トークバトルするものだ。
その日のテーマは
Ｎ●Ｋについて考えるような事だったと思うが
Ｎ●Ｋの現役職員が
実名名乗って民放に出演するという
前代未聞の出来事。
すっかり聞き入ってしまった。
Ｎ●Ｋをなんとかしなければ
と思う若手職員の有志達は
リスナーからの厳しい意見にもキチンと答え
Ｎ●Ｋがこれから先どうしなければいけないかを
ちゃんと説明していましたよ。
いつも大変なのは現場で働く人間。
不祥事があってからというもの、
受信料を集金している人達は
行く先々でいろんな事を言われ
ノイローゼになってしまったり、
その仕事を辞めてしまったり、
対人恐怖症になってしまった人もいるんだとか。
やっぱり言い過ぎたよな。
きっと若手職員達は
われわれ若手がなんとかしなければって思い、
みんなで率先してやってるに違いない。
すいません、謝ります。
好みのタイプだったので
心が動いたのは確かです。
でも、本当にその時は
お金持ち合わせてなかったんです。
|
|
This is the Official Website of ELDRITCH JAPAN since 1988.
This website is exhibited from October, 2005.
Unapproved reproduction of all the information, musical piece, pictures,
etc.
contained to this site and unapproved quotation are forbidden firmly.
